Duffelcoatの歴史【第6回】
- sweetkasisu
- 11月13日
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イギリス海軍との出会いとデザインの確立
ダッフルコートは、ベルギーのダッフル(Duffel)という町の厚手の粗毛織物を使用した、もともと北欧の漁師たちが着用していた作業着にルーツを持ちます。この極めて耐久性と防寒性の高いコートが、19世紀後半、イギリス海軍の目に留まることになります。
1890年代になると、その機能性が極寒の海上での任務に最適であると評価され、**海軍の制服(防寒着)**として正式に採用されました。この時期に、現在のダッフルコートの象徴的なデザイン、特に以下の要素が確立されました。
トグルボタン(Toggle Fastener): 厚手のグローブをはめたままでも素早く留め外しができるように考案された留め具。
大きなフード(Hood): 荒天の洋上での風雨や寒さから頭部を守るため、大型でゆったりとしたデザイン。
粗いメルトン生地(Duffel Cloth): 撥水性に優れ、厳しい寒さに耐えるための厚手で丈夫な生地。
これらの特徴は、まさに極寒の海上という過酷な環境下での実用性と生存性を追求した結果であり、ダッフルコートが単なる防寒着ではなく、軍用の機能服としての地位を確立するきっかけとなりました。この海軍での採用が、後に第二次世界大戦を経て、ダッフルコートが世界的に普及する土台を築いたと言えます。







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